評価の技術

J-GRADEは日本語の会話力をどう判定するのか

J-GRADEは、会話で何ができたかを話した内容と話し方の両面から確認します。評価の理由が学校や企業の会話確認にどう役立つかを紹介します。

高田健太多言語音声対話AI・会話能力評価の開発

面接では受け答えができていたのに、仕事の説明になると会話が続かない。反対に、話すのはゆっくりでも、相手の意図を確かめながら必要なことを伝えられる人もいます。「日本語が上手そう」という印象だけでは、こうした違いを捉えきれません。

J-GRADEが大切にしているのは、会話で何ができたかを、その人が実際に話した内容とともに確かめることです。AIとの会話に点数を付けて終わるのではなく、話した内容と話し方の両面から、結果の理由を説明する設計にしています。

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音声の波形を見ながら分析方法を話し合う開発者のイラスト
評価の技術 J-GRADE MEDIAJ-GRADEは日本語の会話力をどう判定するのか

きれいに話せたかより、会話の目的を果たせたか

例えば、予約の日時を変更したい場面を考えてみてください。丁寧な挨拶ができても、新しい日時が相手に伝わらなければ、変更の相談は終わりません。一方、短い言葉でも希望を伝え、相手の返答を確かめられれば、会話は前に進みます。これは評価の考え方を示す架空例です。

J-GRADEでは、場面ごとに確かめたいことと、実際の応答を照らし合わせます。「長く話した」「難しい言葉を使った」という印象だけでなく、その会話で必要なことをできたかを見るためです。

企業なら、仕事に必要な日本語の会話を確認するときの判断材料に。学校なら、授業での会話評価や、次の指導を考える手がかりになります。

話した内容と、話し方を分けて見る

同じ内容を伝えていても、言葉が何度も途切れたのか、まとまりをもって話せたのかは違います。また、難しい語を知っていることと、相手に伝わる言葉を選べることも同じではありません。

J-GRADEは、会話を読むAIに加えて、録音の分析や実際に使われた言葉の集計も取り入れています。文字起こしだけでは見えにくい話し方にも目を向け、ひとつの印象にまとめないためです。

会話の記録を見ながら評価について話し合う人たちのイラスト会話力を、一つの印象でまとめない
  • 何ができたか場面の目的に対して、必要なことを伝えられたか。
  • どう話したか言葉の使い方や、話の続き方にどんな特徴があったか。
  • 次に何を学ぶか結果を読み、次の練習や指導を考える。
J-GRADEの評価と活用の考え方を示す図です。イラストは実際の評価画面ではありません。

言葉の使い方や流暢さを異なる観点で見る考え方は、CEFRの話し言葉に関する評価の枠組みでも示されています。J-GRADEでは、こうした観点を会話の特徴を説明するために用います。

「なぜその結果なのか」を振り返れるようにする

「会話力はこのレベルです」とだけ言われても、先生は何を指導すればよいか、学習者は何を練習すればよいか迷います。

J-GRADEは、課題ごとの評価に、発話の根拠や理由を残す設計です。総合的な結果と、会話の特徴を分けて読むことで、「できたこと」と「次に確かめたいこと」を考えやすくします。

また、質問されなかったことと、質問されたうえで答えられなかったことも区別して扱います。確認する機会がなかった内容まで、その人の弱点と決めつけないための考え方です。

根拠を示すことは、すべての判断の正しさを保証することとは異なります。結果は今回の会話で確認できた範囲の情報として、面接や授業での観察と合わせて活用します。

まずは、結果の見え方を確かめてください

J-GRADEの価値は、評価の数字だけでなく、その理由を読めることにあります。学校の先生なら「学習者にどう説明できそうか」、企業の担当者なら「追加で何を確認したいか」という視点で、レポートの表示例をご覧ください。

文法・話し方のまとまり・言葉の使い方にも、それぞれ見る理由があります。文法評価で文字起こしだけに頼らない理由も紹介しています。

「自校の学習者や、採用候補者の会話確認に使えるだろうか」と感じたら、デモ・導入についてご相談ください。J-GRADEが評価するのは日本語の会話能力であり、人物像や採用合否を判定するものではありません。

参考資料

この記事を書いた人

高田健太
高田健太Kenta Takada

PLUS IMPACT株式会社 代表取締役

丸紅でのミャンマー駐在、現地起業、500 Global・STATION Aiでの事業支援を経て、PLUS IMPACTを創業。多言語AI対話を活用するxCOREと、日本語会話能力を判定するJ-GRADEの企画・開発を推進している。言語や文化の違いを越えて対話を扱う技術と、発話の根拠を踏まえた会話力の評価に取り組む。

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